ハムストリングスが収縮しようとしている状態で伸展された時に好発します。これは、遠心性収縮によるもので下腿が振り出されてから接地に至る際や接地から蹴り出される際に起こりやすいとされています。
大腿四頭筋肉離れと同様で筋腱移行部の発生が多く、稀に膝伸展位で股関節屈曲を強制された時にもみられ、この場合は強い介逹外力により坐骨結節付近での完全断裂が生じます。
受傷時には、鋭い力の抜けるような大腿部後方の痛み、場合によっては音が聞こえるこうな突然の衝撃を感じることが多くあります。
また、その他の要因として・・・
1.筋疲労 2.先行する筋損傷の存在 3.適正なウォーミングアップの欠如
4.筋の柔軟性の低下 5.下肢長の不一致 6.電解質の枯渇 7.左右のハムストリングスのアンバランス 8.ハムストリングスと大腿四頭筋のアンバランスが考えられます。
ハムストリングスを痛めやすい動き・競技例
動き:ダッシュやジャンプなどの急激な動きによる筋肉の収縮
主な競技:陸上(短距離、跳躍)、サッカー、ラグビーなど
主な症状
ハムストリングスの肉離れの症状として、損傷部位の圧痛・腫脹・皮下出血斑・筋硬結・陥凹などが重症度(I〜III)に応じてみられます。
陥凹は損傷後数時間経過すると、血腫により欠損部を触知しにくくなります。また、慢性期では容易に欠損部を触知できハムストリングスを収縮させると陥凹を確認することができるようになります。
受傷時には、まず患者を腹臥位にし膝関節伸展を支持します。(この時、重度損傷では完全伸展不能)その後、膝関節が十分に伸ばせるようであれば仰臥位としハムストリングスのタイトネステストを行います。
この他に成長期における重症例では、X線検査で坐骨結節の列離骨折をみられることもあります。(MRI検査は損傷度確認に有用とされています。)
治療法
他の肉離れと同様で、重度損傷では観血療法の適用となりますがそれ以外は保存的に十分なアスレチックリハビリテーションを行うことにより回復します。アスレチックリハビリテーションにも様々な種類があり、バランスボールやバイクなども治療に使われています。(損傷部位により異なります。)基本的にはリハビリテーション(ストレッチ・筋力強化・筋バランス改善)の開始は急性期症状が落ち着いてから(受傷後3〜5日後)実施されます。
ストレッチ
ハムストリングスのストレッチには、数多くの種類があり大半が自分でできるセルフストレッチで手軽にできるので運動の前後にはハムストリングス損傷を避けるために積極的に行うことをおすすめします。(体の状態に合わせて実施してください。)
テーピング
①長さ15センチのテープを8枚用意します。
②うつ伏せに寝た状態でテーピングをします。違和感のあるところが中心になるように貼っていきます。
③テープを引っ張りながらクロスするように半分ずつ重ねて貼っていきます。
④貼り終えた両側がカバーできる長さのテープを2枚用意し、太ももの両側に剥がれどめを貼ります。
肉離れ(自家筋力によるもの)
・こむら返り(筋肉がロックした状態)
・肉離れ(筋肉が引き離された時におこる)
・筋・腱断裂
(筋肉に外力が加わったもの)
・筋挫傷(強力な外力で叩かれて筋肉内に出血します)
ハムストリングとは「もも肉のひも」というのが語源。これはハムを作るときに豚などのもも肉をぶらさげるために、これらの筋の腱が使われたことに由来しているそうです。